新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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約束のネバーランド 1~20巻(完)

 
ついに読めた(感無量~)。
 
アニメが入り口だったので、まずはそこから。
5巻の脱出までを描いた、シーズン1はやはり傑作だったことを再確認。
スリードと謎解きの話組みや効果も巧みだったし、原作では事後に描かれてた伏線を
ちゃんと作中で展開させていたりと、ミステリ的に昇華されてたのは評価すべき。
最後にイザベラと会わせたところも、アニメの演出の方が勝ちだったのでは。
 
しかし、残り15巻をシーズン2で一気に終わらせたのは、やっぱひどすぎ。
ちょんちょんとつまんで、パッチワークで1枚(1シーズン)に収めた強引な手腕は、
ある意味凄いことかもしらんけど、さすがにやりすぎだったわな。
とはいえ、5巻以降の展開で、シーズン4まで3シーズン引っ張る訴求力はたしかに無かったかも。
 
というわけで、5巻までの神展開はどんなに絶賛しても、絶賛し尽くすことはないので、
その後の原作の話を。
 
やはりそれまでに比べると、ミスリードとか伏線とか謎解きとかの興奮は極端に薄まってる。
その代わりに、アクション要素が強くなってるのが、新しい魅力。
中盤、終盤それぞれのクライマックスである、猟場戦、女王戦の読み心地は抜群。
(女王戦は決着のさせ方が、ちょっとあれだったけどね)
 
全体を通して一番問題だったのは、「約束」のところだったのではないだろうか。
読めない印のあの存在。これが非常にわかりにくかったと思う。
伏線も謎解きも無いようなもんだったし、これが無くても成立すると思う。
 
猟場編の完結までをシーズン2にして、「約束」のところを全てカットして、
結末までをシーズン3でまとめてくれれば、非常に収まりよく、
全体として完璧なアニメシリーズになってたと思うんだけどなぁ。