新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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HELLO WORLD

09/28(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
 
脚本が野崎まどだし(ほぼこの時点で決まりではあったが)、
「この物語はラスト1秒でひっくり返る」という、
眉唾であっても、とても無視できそうもない売り文句を付けられては、
観に行かずにすませようがあろうか(反語的表現)。
 
グレッグ・イーガンの世界観を下敷きにして、
クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』を、
今敏監督の『パプリカ』の映像イマジネーションで描いた、
キミとボクの物語。
 
……という要約が出来そうな作品だったな。
 
惹句がコレなわけだし、どんでん返しをウリにしてる作品だったけど、
このラストのしめ方はそれほど巧みとは思えなかった。
 
このひっくり返し方は割とよくある。
もう何度も観たり読んだりしている手口。
 
それでいて必然性や伏線があるとは言えない。
映画で一回見ただけでは見つけられていないだけという可能性もあるが、
少なくとも「なるほど、そうか」と即素直に納得できる作品ではあるまい。
 
ただまぁ、「二つの世界とものハッピーエンド」が演出できているわけなので、
納得度は今ひとつでも、鑑賞後感としては悪くない心地よさが感じられた。
この点は『天気の子』との一番大きな違いだろう。
 
またアニメ映画では「なんで声優使わないんだよ」と不満を抱くことも少なくないが、
主要キャラを俳優ばかりが演じてるにしては、違和感なくマッチしてて良かった。
浜辺美波に興味を持ったことは一度も無いが、「やってやりましょう」の言い方は萌えたし(笑)
 
映像美は新海誠に及ぶべくもないが、映画としての総合点はこちらを推したい。