- 作者: 曽根圭介
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2019/08/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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いずれの作品もどんでん返しに彩られたものばかり。
ただ、その色はひたすらに黒い。
黒い連中ばかりが、どんでん返しの黒い罠に落ちていく。
勿論、落とす連中も間違いなく黒い。
ただ、その割には厭ミスのどろどろとした嫌悪感は、
そんなには感じられなかったのは何故だろうか。
さほど極端な驚きは無いものの、
全ての作品がどんでん返し構造を取っていることが、
自分にとっての要因なのかもしれない。
知性で構成されていることが明確なので、
情感の発露みたいな作品とは一線を画してるのかと。
ベストは「天誅」かなぁ。
最後に明らかになる無邪気な邪気にぞっとしてしまう。
第二位は「留守番」で、第三位は「腸詰小僧」で。
それぞれどんでん返しが効果を生んでいる度合いで評価して。
どんでん返しだけで短編集を成立させるのは評価するけど、
どんでん返しの威力としてはそう高くはないので、採点は6点止まり。