星野之宣短編集 アトランティス大陸誕生、そして滅亡 (マイファーストビッグ)
- 作者: 星野之宣
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/01/09
- メディア: ムック
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巻末の「水のアマゾネス」は古代白人国と別の伝説を組み合わせた作品。
冒頭の二作品「暁の狩人」「はるかなる朝」はアトランティス。
アトランティスの始まる前と、アトランティスの滅びの後を
それぞれ描いている。
しかし、何といっても中盤の「巨人たちの伝説」二部作が大傑作。
巨人族タイタン人が氷河期に立ち向かう第一部を受けて、
次の氷河期に立ち向かう現代人を描いた第二部が、
突出して素晴らしい出来映え。
あまり読んでるわけではないが、これまで読んだ星野之宣の
短編の中では、これが最高傑作だと思う。
本書の表紙にもなってるタイタン人のイメージが強烈。
そしてそこからのハードSFとしてのプロジェクトのアイデアと、
サスペンス・アクションとしてのストーリー展開が、
いずれも傑出している。
何度もピンチがあって、その度冴えたアイデアでそれに立ち向かい、
最後の最後もテーマに見事に沿った解決策が用意されてる。
良質のSF映画を観たとき以上の満足感と感動を与えてくれる作品。