放課後探偵団2
こういうテーマでの競作アンソロジーなんだから、
せいぜいこうだろうなという、まるっきり想定内の作品集。
前作はたまたま想定外にできすぎた奇跡だったんだな。
謎解きとして全体的に薄いってこともあるけれど、
青春ミステリとしての瑞々しさやセンチメンタルさとは違う、
どっかイヤなところのある事件や真相が多くて、読後感が爽やかじゃない。
前作の掉尾を飾った梓崎優に対し、本書でその役割を担うのが青崎有吾という
人選は納得だったんだけど、いつものロジック押し作品ではなく、
締めくくりを全く盛り上げてはくれなかった。
ベストに挙げたい作品ってのは無かったんだけど、取り合えず選ぶとすれば、
真相はいい話ではないんだけど、話として読ませてくれる
額賀澪「願わくば海の底で」にしてみよう。
本題ではないところだけど、細かい伏線が楽しい(知らない知識がベースだけど)
辻堂ゆめ「黒塗り楽譜と転校生」が第二位で、
長さに着目したりとか、犯人とのやりとりに若干ロジックが滲んでるので、
ようやくこの位置に付けた青崎有吾「あるいは紙の」が第三位。
まぁ普通だとこんなもんだよな。
前作がとても良かったから、無駄に期待してしまった。採点は6点。