新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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9人の翻訳家 囚われたベストセラー

今回の新作・準新作5本で千円の、個人的目玉作品。とにかくこの作品を観たかった。
ホントはもう一本「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」も絶対に観たかったんだけど、
まだレンタルにはなってないみたいだったな。

 
期待通り、いや、期待以上にこれは良かった。
 
まずは中盤のどんでん返しに唖然。
まさか日本の有名な古典ミステリのミスリードを、実際に喰らうことになるなんて。
このシーンがあっただけでも、自分の中では高評価確定。
(ただ、じゃあ、あのアイテムは何?って、自分の中ですっきりしてない疑問は残ってるけど)
 
そして、トリックの謎解き。
映画なんで、ド派手な演出で魅せてくれるわけだけど、
そういう物理的な手段がどうのこうのってところよりも、
「あ、逆だったのね」という、
心理的な逆転の手管に、とにかくしびれた。
 
でもって、そこで終わることもなく、
更にもう一段ひっくり返して、裏の裏を突いた後で、
真のホワイダニットが解き明かされるっていう仕組みも万全。
 
いやいや、意想外にやられるミステリ映画だったですよ。秀作。