新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ヘイトフル・エイト

米国出張中の機内で見た四本の感想の前に、昨年末のお蔵出しを。
TSUTAYAの準新作百円クーポンにて鑑賞。

タランティーノの本格密室ミステリっていう謳い文句だったけど、
それはさすがに「異議あり!」だな。
ミステリを全く知らない人が付けた惹句なんだろうな。
 
こういうのを”密室”と呼ぶのは、どう考えても詐欺で、
せめてミステリ風にしたいのなら、せいぜい
”クローズド・サークル”と呼ぶしかない。
でもまぁたしかに、ミステリ者以外には馴染みはないだろうからな。
 
そもそも本格ではないし、ミステリってわけでもない。
広義で言えば、言えなくもない程度。
でもって、これをミステリと呼ぶなら、
タランティーノの過去作品全部ミステリって呼んでもいいレベル。
 
相変わらず、時制を変えての謎解きパートも健在。
 
いやあ、しかし、題名通り誰にも感情移入できないし、
最後まで後味の悪い作品だった。
特に将軍の息子のエピソードは、トラウマになっちゃうレベル。
 
どっちかといえば、見ない方が良かった。
監督作品としては、個人的には最低評価としたい。