三体

三体

三体

 
アジア圏作家として初、というより翻訳書として初めて
ヒューゴー賞を受賞した作品。
 
いやあ、期待通りの面白さだった。
 
自分にとっての本書の本質はまさしく奇想SF。希有壮大なバカSF。
 
まずはやはり三体世界の描き方。
そもそも三体問題自体が本作で初めて知ったのだけど、
まさかたかだか三体の相互作用する天体の運動を求めることが不可能だったなんて。
そこから導き出された三体世界の創造のユニークさ。
 
それだけでなく「折りたたみ北京」に収録された傑作短編「円」に
繋がった奇想など、幾つもののアイデアが惜しみなく注ぎ込まれてる。
 
そして、そして、更にそれらを凌駕するような、終盤の奇想。
ミクロスケールをマクロスケールまでとことん拡げてしまうやり口に、
顎があんぐり開いたまんま、閉じるのが困難だったよ。
 
完璧とまでは言えないけども、優れたエンタメ小説にもなってると思う。
 
冒頭の文化大革命という特殊な歴史観が背景にあることで、
本書の底層に流れる終末思想も説得力を帯びてくるし。
(なので、やはりこのシーンは冒頭にあるべきだろう)
 
三部作の残りも更にアイデアがガンガン詰め込まれてるっぽいし、
こりゃ勿論、全部読まなあかんでしょ。