新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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奇想天外 21世紀版 アンソロジー

奇想天外 21世紀版 アンソロジー

奇想天外 21世紀版 アンソロジー

やはりこちらもごったごったした感じが、奇想天外の雰囲気を再現している。
 
豪華な執筆陣による新作たちも、奇想天外らしい雰囲気とチープさを
持ち合わせた作品ばかりとなった印象だ。
(ちょっとディスってる?)
 
それぞれのコーナーからベストを選んでおくと、
海外編からは、バークリーの初訳短編という嬉しい作品もあったが、
出来の面白さではカミ「死んだボクサーの謎」がダントツのベスト。
 
今回メインの国内編からは、特別なものはないけど話として心惹かれた
宮内悠介「三つの月」にしようかとも思ったけど、
こんな機会にホームズ論で攻めた有栖川有栖「吠えた犬の問題」にしてみよう。
 
漫画は二作しかないけど喜国雅彦「日本黒衣の謎」は面白かった。
デビュー前作品では北村薫「宇宙の会見」で。
幻作品では三津木忍「二十面相の伝説」に決まり。
早稲田満作品は期待外れな物ばかりだったけど、
各大学の機関誌とかからの作品選出は別企画で是非ともやって欲しいなぁ。
 
その他の企画物では、奇想天外史上最強ミステリ映画祭
「これを観ずに死ねるか!」が当然のごとくのベスト。
ただ観たくなった作品があっても、メディア化されてなかったりするのが残念だったけど。
 
いまいち趣味の相違があるけど、山口雅也「結カー問答」、
嬉しいけど2ページじゃ短すぎる麻耶雄嵩インタビューとかが
嬉しかったなぁ。