新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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奇想天外 復刻版 アンソロジー

奇想天外 復刻版 アンソロジー

奇想天外 復刻版 アンソロジー

『奇想天外』らしい、奇想天外ではあるけれど、どこかすっとぼけた、
メジャー感とは全然無縁の作品ばかり。
 
一番の傑作ばかりを揃えましたってアンソロジーだとしたら、
とっても物足りなさを感じてしまうだろうけど、
そういうコンセプトじゃなくて、復刻版ということで、
「らしさ」を優先したセレクションなんだろうと思おう。
 
なので、まぁ、作品としてこれは愉しかったと
手放しで思えるような作品は無かった。
 
そんなのさしおいて、一番面白かったのは、もうダントツで新人賞の選評会。
 
新井素子を選ばなかったら、この場で腹をかっさばく
(とまでは言ってないけど)くらいの勢いの星新一
それに猛反発する小松左京。二人の間でおろおろする(?)筒井康隆。 
 
掟破りの超新人類に対してのSF御三家の右往左往の愉しいこと。
 
こんな経緯を経て、彼女は世に出てきたのだな。あの頃はまったなぁ。
サイン会に兄妹で行って喜ばれたなぁってのが懐かしい記憶。