- 作者: 古山寛,ほんまりう
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1989/12
- メディア: 単行本
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冒頭に「全編ノンフィクションによって構成された、壮大なるフィクション」
という注意書きが書かれている。
「登場人物は、すべてが実在で、その行動、セリフも、ほぼすべてが、
実際の著書や記録からとられている」ということらしいのだが、
そう謳っていて、この描き方は誤解を生みそうだなぁ。
今だったら、許されないかも。
「ビルトダウン原人」というねつ造事件については、この作品で初めて知った。
犯人が完全に確定しているわけではなく、実際にドイル犯人説もあったらしい。
後書きに書かれてる本人の話では、それより先の着想だったようだけど。
とにかく実在の有名人をこれだけ登場させて、絡ませて、
これだけの作品を描いているのは、なかなかに凄い。
冒頭の注意書きの行動や台詞を、実際にどのくらい文献から取ってるのかな。
薄学な私では判断できないけど、作者が自負するほどの分量であれば、
もっともっと凄いんだろうけどね。
あまり知られている作品ではないと思うが、結構な逸品だろう。