- 作者: 早坂吝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/08/06
- メディア: 新書
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その実、三作の中では一番真っ当な作品と言えるかもしれない。
西澤保彦のように、SF設定の中でどんちゃかどんちゃかやらかして、
その中に設定を活かしたロジックを潜ませて、本格の謎解きを行う作品。
ただ、本書の大部分を占めるRPGのところは、さほど面白味は無いかも。
やってみたかったんだろうなってのはわかるけど。
金仮面、銀仮面など、謎めいた要素はぶち込んで、
飽き飽きしないようには作られてはいるけどね。
パズルの意味だとか、魔王の正体の謎解きだとかも、
すっきり感には欠けたように思う。
その後、謎解きに入るわけだけど、こちらもすっきり感が薄い。
ロジックがくどい割には(まぁこれは個人的には嫌いではないのだが)、
消去法の最後の結論が、ぱっと思い付きで出るような答。
ミステリの消去法の価値って、いかにもあり得そうにないものが最後に残るんだけど、
でも消去法でそれしか残ってないんだからそれが真実!ってとこにあるのが、
ホームズの時代からの決まり事になってるのに。
こんなん、どうよ?、と初っ端に思い付きで出そうなもんを、
最後に持ってこられても、それって順番なだけやん、とか思っちゃう。
最後のワンポイントも、伏線はあるけど、あんまし美しいトリックではないしな。
う〜ん、変そうな割に実はさほど変でもなく、
結局何のかんのと面白味が無く、採点は6点。