新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

クレープを二度食えば

クレープを二度食えば(リュウコミックス)

クレープを二度食えば(リュウコミックス)

基本はギャグでSFな人、というイメージを持っているとり・みきだが、時々(いや、たま〜に?)シリアスな作品も書く。
本書は「とり・みきリリカル作品集」という副題が付いているように、そういう雰囲気の青春物ばかりを集めた作品集。
 
逆年代順に収録されてるのだが、少女漫画の影響を色濃く受けた80年代と、とり・みきタッチを身につけた90年代と、絵柄が全く違ってるのがはっきり見て取れる。
 
大林宜彦の映画をモチーフにした「もうひとつの転校生」が単行本初収録作品。なんだか東野圭吾「秘密」を想起させる作品。
ベストは当然の既読作品だけど、やはり表題作だろうな。主人公がどんだけ鈍感なんだよという都合の良さは感じるものの、漫画で描かれたリリカル時間物短編の秀作だろう。