新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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好きになるひと―高橋しん初期短編集完全版

 
初期短編集といいながらも、全編完全リメイクで描き下ろされた作品集。
 
作者があとがきで書いてるように、普通は表紙だけ描き下ろしで中身は昔の画ってのが基本。
「まんが読みとして痛い目にあってきた」と書いてあるけど、
自分としてはそれが読者の期待値でもあると思うんだけどな。
 
作品集としての完成度は上がってるかもしれないけど、
初期短編集という意味合いが凄く薄まってしまってると思う。
 
せめて一作でもいいから、昔の作品そのままも同時掲載してあったら、
作者の今と昔の違いを明確に目の当たりにすることができて、
非常に興味深い作品集になったんじゃないかと思うけどね。
 
完成度は上がってるかもしれないけど、作品として心惹かれたものは
あまり無かったしなぁ。
これなら、昔はこんなだったんだぁ、という興味で読めた方がありがたかったかと。
 
一応ベストだけ選んでおくと、「TWO HEARTS」で。
 

invert 城塚翡翠倒叙集

 
二作目はまさかの倒叙作品集。
 
前作を読んでない人は絶対に読んじゃダメですよ。
あの大傑作を読む前に、ネタバレ読んじゃうなんて、こんな勿体ないことはありません。
必ず本署の前には「medium 霊媒探偵城塚翡翠」を読んでおきましょう。
 
本書には三本の中編が収められている。
それぞれ正真正銘独立の作品ではあるんだけど、
前作のあの最終話で読者の油断をあざ笑う、とんでもないうっちゃりをカマしてくれた人だからね。
皆様もゆめゆめ油断なされぬよう。
 
とはいえ、さすがに前作の持つ驚きの意味合いとは、全くの別物。 
 
倒叙作品集としては本格度は高い作品ではあるけれど、やはりこの形式の中では、
ロジックは地味目にしか発動しないってこともある。そもそもの話ではあるけど。
(そういうわけで、個人的には倒叙作品を高く評価することはほぼ無い)
 
採点はせいぜい7点止まり。あれ無かったら6点にしてたと思うし。
 
ところで最後に物言い。古畑任三郎の解決編突入前のナレーション形式を
そのまんまなぞってるのが、非常に安っぽく感じられた。
ド素人のネット小説じゃないんだからさ。
「相棒」の台詞を織り込んだりしてるとかと同じように、あくまでオマージュの
範囲で留めておいて欲しいと思うよ。これじゃパロディになっちゃってる。
 

鳩の撃退法

08/28(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。
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一見もの凄く謎めいていて、
もの凄く思わせぶりな作品なんだけど、
裏がありそで、その実全く裏の無い、肩すかしな作品。
 
メタな雰囲気作りがとにかく濃密で、
どこまでが虚構で、どこまでが現実なのか、
いったいどこまで深読みすればいいのか、
線引きに悩みつつ観てしまってたんだけど、
そんな自分が馬鹿らしく思えてしまった。
 
事前情報だけでは、さっぱりどんな話なのかわからず、
そもそもどういう作品なの?
ミステリなの? いやいや、下手すりゃ不条理なの?
って疑問すら抱いても不思議の無い作品なんだけど
(少なくとも観る前の自分はそうだった)
観終わった今、その答を見つけてしまったような気がする。
 
 
 
ピ・タ・ゴ・ラ・ス・イ・ッ・チ!
 
 
 
これを伏線の回収と呼ぶかって云うと、
自分は違うんじゃないかと思うよ。
 

温泉の旅にいけない夜は神経ないキスがマジぴったんこ

こちらは9本と量が多かったので、昨日の本とは別記事にしてみた。
ブックオフと同じ建屋のTSUTAYAで、ワゴンセールの中身が先週と結構変わってて、
バラエティ系の出物がいっぱい増えてたので、あれこれと買い漁ることになった次第。
以下はすべて110円のレンタル落ち品。
 

1.~3.は現在の年末恒例ではなく、罰ゲームだった頃の「笑ってはいけない」。さすがにこの頃の奴を再放送することは無いだろうからね。
4.~6.はアメトークの中でもお気に入り中のお気に入りをセレクトして購入。特に4.の「ひな壇芸人」はアメトーク史上最高の神回だと思ってて、エアチェックを永久保存版にしてた作品。こんなテクニックを芸人は駆使してたのかと、これを見る前と後とでバラエティの見方が変わった作品。5.は常に爆笑の運動神経に加えてのジョジョ。6.も爆笑の爆発度最高の絵心に、ひな壇にも通じるガヤ。
7.はここから始まったキス我慢。8.はマジ歌リクエストSPに、第4回、第5回を収録。特典映像の舞台裏と松丸アナプレゼン企画集も気になる。
9.はこのシリーズがあって嬉しかった。TVで見たことある回だったけど。無名な頃のバイきんぐ(常連だったもんな)に、メイプル超合金になる前の安藤なつも出てる。
 

雨男の事件は匙で欠けた鼻

せっかくの日曜日のブックオフの日なので、ブックオフのはしごに出かけてみた。
まずは電車で町田に出て、徒歩20分の旭町店へ。
曇ってて歩きやすかったので、そこから徒歩40分の相模大野店まで歩く。
相模大野からは電車で町田に戻って、最後は中央通り店へ。
町田では色々と買い出しもしたので、全部で17,171歩。結構疲れた。
 

ブックオフの日の500円以上で300円オフクーポンで、換算すると上記くらいの金額かな。
1.は百円棚なら買う星野之宣。2.はブックオフの日御用達。百円棚落ちを待たずに買い続けてるシリーズ物は、ほぼ最新刊くらいまで到達してるので、コンスタントに買えるのがこれくらいしかないんだよね。これもそろそろ尽きそうだけど。
 

最終15巻のみ欠けているという中途半端さだが、どっかの百円棚で買って揃えれば、一冊当たり60円切るというお買い得さ。尻すぼみの評価が多そうだけど、最初の頃の話はきっと面白いに違いないので。
 

ブックオフの日狙いで待ってた本。普段は880円なのが、今日は10%オフも重なってこんなお得な値段で。既読二冊と合わせて、これでほぼコンプリート出来てしまうのが、嬉しいのやら悲しいのやら。