- 作者: ルーパート・ペニー,熊井ひろ美
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2019/07/03
- メディア: 単行本
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「警官の騎士道」という作品が出てたのは気付いてなかったが、
それまでの「甘い毒」「警官の証言」は既読で、
自分の感想を読み返してみると、高い評価を与えている。
精度はクイーンほどではないとはいえ、全ての作品に
読者への挑戦状が付けられた”ド本格”ってところに、
強い共感を抱いてたようだ。
ただ、いずれも地味な印象が拭えなかったところ。
本作もやはりその例に漏れず、
読者への挑戦状からの、図解によるトリック説明のあたりは
”ド本格”の、この”ド”っぷりをまざまざと感じることが出来る。
でも、やっぱり全体通しての印象は地味。
殺人が起こるまでが、やはり長過ぎるかなぁ。
そこまでの展開としては、古めかしさは否めないので。
直球過ぎる題名を付ける自信の現れで、密室トリックはさすがのもの。
床の傷とある人物の特徴から、こういうトリックだなと、
勝手に思い込んでた自分の考えの遙か上を行ってくれたので満足。
ただハウダニットの比重が重くなりすぎたためか、
個人的には既読の二作の方が好みだったんじゃないかと思う。
(全く記憶に残ってないので、自分の感想の熱さから判断)
採点は7点。