新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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スキャナー 記憶のカケラをよむ男

TSUTAYAの準新作・旧作百円クーポンにて鑑賞。

 
古沢良太があまりにも良いので、旧作にも手を出してみた。
ミステリみたいだし、監督もデスノート前後編の金子修介だし。
 
ってな期待にも充分応えてくれる作品だった。
スリードを効かせて、意外性を感じられる作品。
 
まぁ、両氏のトップクラスの作品ではないだろうけど。
 
サイコホラーの話だし、暗く湿った要素の多い話を、
コメディ調に描こうとしているのだが、
野村萬斎のあまりにも独特な個性は、
軽快なコメディには向いてない。
コメディ調にしても、どこか重たく感じられる。
 
宮迫も冒頭のつかみが逆効果に思えて、
ぶれて感じられてしまったしなぁ。
(たまたま、この渦中の時期だし)
 
サイコホラーからの人情物展開で、
ちょっとファンタジーに寄りすぎになっちゃう、
事件の締めくくり方も賛否両論でそうな演出だったと思う。
 
ドラマではよく使われている手法ではあるけど、
ラストに一つ過去エピソードをぶち込んで、
ああ、なるほど、と思わせてくれるあたりは良かったなぁ。