新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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黒の3

今日は妻と娘と選挙に行ってから、地元で図書館と夕食の買い物。
昨日は相模大野から相武台前までの約1時間の歩きing。
相武台で美容院終わりの妻と合流し、食事と買い物。
 
ちょうどいい感じの歩きingで、一日1万5千歩越え。
二日平均でも余裕で1万歩越なので、休日としては充実。
 
こういうついでがないとなかなか行かない相模大野店で、これだけ購入。
最近は特別なキャンペーンでもないと、百円棚以外は見もしないことも多いな。

vs.バーボン編。「純黒の悪夢」に合わせて出版されたもののようだ。

殺人犯 対 殺人鬼

殺人犯 対 殺人鬼

殺人犯 対 殺人鬼

 
いやあ、やっぱ面白い人だなぁ、早坂吝。
 
愉快痛快。
驚愕至極。
いったいどこから何が飛び出してくるかわからない、
びっくり箱みたいな本格の書き手。
 
勿論バカミスなんだけども、
スリードや叙述の技巧が見事に張り巡らされてて、
理想的なバカミスと言っても過言ではあるまい。
 
シンプルでありながらも巧緻。
ぶっ飛んでていながらも納得。
 
この着想だけなら、誰にだって可能ではあるんだけど、
それをこれだけの作品に仕立て上げるには、相当な力量が必要なこと。
 
ホントに目の離せない書き手だわ。
 
意外に(と云っては失礼だろうが)良作揃いの
この作者の中でも、個人的にはこれがベストかな。
 
というわけで、採点は8点。
本年度のベスト5入りは当確だろうな。

愛なんてセックスの書き間違い

 
エリスンの非SF作品だけを集めた短編集。
 
こうして読むと、翻訳でも充分伝わるほどに、
エリスンの文体はかっこいい。
そして美しい。
暴力的に描かれた作品であってさえ、
どこか詩情を感じさせる作品になっているところも、
自分が心惹かれる所以の一つだと思う。
 
広告のコピーのような、ビシッと決まった一節や題名が
あることも、ひどくキャッチーでいい。
タイトルだけでしびれる作品が多いこともエリスンの特徴の一つだろう。
本書のタイトルも収録作品中の一節である。
 
ベストは「ジェニーはおまえのものでもおれのものでもない」だな。
翻弄され、酩酊させられる。読み物としては本書で抜群の作品だった。
「第四戒なし」「パンキーとイエール大出の男たち」でベスト3。
 
また本書には私小説的な作品や、解説を読むとエリスンの過去を
反映した作品も比較的多く含まれている。
SFとは違って、そういう要素も本書の楽しみの一つになるだろう。

迷彩都市 1~2巻(完)

 
ミステリ作家らしい”余計な過剰さ”が出過ぎた作品だと思う。
 
牌を使って、連続殺人であることをアピールするとこまではわかるが、
その牌と地名をリンクさせる必然性があまりにも薄すぎる。
もう明らかにミステリ作家として、こんな趣向をやりたいだけ。
当然クリスティのABCになぞっての趣向だからね。
 
一応それが最後の事件を成立させるための要件としたかったんだろうが、
そのせいでギリギリまで追い込まれた場面もあったし、
最後の事件でも、結局他の手段に頼ってるしで、つまるところ意味なし。
(最初っからこれだけじゃ確実性が無いことは明白でしょ)
 
あと、もう、馬鹿みたいに殺しすぎ。
殺しの天才ですかっつうの。現実ならとっくに捕まってるわ。
 
そもそも趣向を完成させる必要なんて、全然無いでしょ。
完成させたがってるのは、世の中でただ一人、我孫子武丸だけ。
 
漫画だからっていくらでも荒唐無稽にしていいって話じゃないと思う。
 
ミステリ作家のエゴを都合良く吐き出せる場として使われたような気すらして
(本当はそうじゃないとは思うものの)、なんか個人的には気持ち悪い読後感が残ってしまった。

ゆきともと

少女・レディースコミック500円以上で200円OffのLineクーポンを使うために、水曜日に町田で途中下車(なので、下記の価格はそれぞれ100円引きで記載)。
先週の週末も覗いてみたんだけど、海街最終刊が無かったので、とりあえず保留。
入荷に淡い期待を込めて水曜まで待ってみたんだが、やはりダメだったか。

1.はこれで最新刊まで揃ったかと思ったが、更に最新の42巻が本日発売だった。2.は企画・原案として小松左京の名が挙がってる。「お召し」から着想を得て描かれた作品のようだ。著者のSF作品で、2巻で完結なら揃えやすいだろうということで。