新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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コンクリート・ユートピア

TSUTAYA西友町田店にてレンタル。もう1本の新作。

 
本作を語るには、ちょっと深い内容にも触れたい作品だったので、
未見の方は以下は読まない方がいいかもしれないと、事前にご忠告いたします。
 
基本は性善説でお人好しの甘ちゃんな自分なんだけど、
もしもこういう事態に立ったとしたら、自分や家族を守るために同じ道を辿ったと思う。
追い出す方に迷わず票を投じたと思う。
 
イ・ビョンホンがもっと独裁的になって、行き過ぎた支配者で反感を覚えさせる流れかと思ったら、
最後まで先頭に立って、身を挺しても皆を守る、立派なリーダー像を貫いていたので意表を突かれた。
(まぁこんな風な裏事情は当然の予測の範疇なので、そっちの意外性は全く無かったけど)
 
この状況下でここまでシステム構築できれば、賞賛されこそすれ、批判されることは無いように思えた。
(現実的なことを考えれば、単独の略奪者はもっと頻繁に現れていたはず。だったら、自警団の構築と、
自衛手段の増強も確実に行われていただろうから、最後の状況にも対応出来てたんじゃ、とも思えるし)
 
主人公の妻の正義感の方が自分は強い反感を覚えたくらいだ。
 
住民のやり口は誤った方向だったという流れになってたけど、正体の部分を唯一除けば、
自分には全然そういう風には思えず、釈然としない思いで、悶々としたまま終わってしまった。
 
たとえ韓国映画クオリティでも、自分には消化できない作品だったな。