新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

アリスとテレスのまぼろし工場

試写会が当たったので、8/29(火)にイオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。

 
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの脚本家で知られる
岡田麿里の監督第2作(第一作は未見)。
 
まずタイトルが良くないなぁ。
「あの花」以外にも「心が叫びたがってるんだ。
さよならの朝に約束の花をかざろう」「空の青さを知る人よ」
など、魅力的なタイトルが得意な人なのに。
 
このタイトルから想像を膨らませると、きっと実際の作品との
ギャップを感じるはず。少なくとも私は強く感じた。
「アリス」も「テレス」も出てこないし、アリストテレス
全く関係ないと思えるんだけど(自分の理解力不足のせいかもしれないが)。
 
タイトルとの関連性を抜きにすれば、世界観は良い。
徐々に明らかになるので詳しくは書けないが、
ある意味切ない時間物の設定なので、自分的には好み。
 
映像は申し分無し。演技も特に問題は無し。
キスシーンの艶めかしさは出色の出来かと思う。
 
脚本的には、個人的にはもっと世界観に切り込んで
欲しかったと思えはしたかな。
この世界観に対する五美の意味合いや役割が
もう少し明確になっていると、より感動が高まったのではないかと。
この辺がモヤモヤしてたので、ちょっとぬるく感じられた。
 
最後は中島みゆきがピリリと締めてくれるけどね(主題歌「心音」)。