新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1巻〜6巻(完)

誕生月は半額(2泊3日で50円)だということなので、見たかったこの作品を一気に(でも、全部で300円!)。

あの日、ここで止まった時間が、動きだす。
小学生の時に友達と“超平和バスターズ"というグループを作り、“じんたん"と呼ばれていた少年・宿海仁太。“めんま"の死をきっかけにグループはバラバラになってしまっていたが、彼の前に突然めんまが現われて――!?

なかなか、なかなか。
感動してぶわっと涙が出るとこまではいかなかったけど
(でも、こうなる人もきっと多いと思う)
雰囲気がとても良くて、全巻見入ってしまったわん。
 
子供時代を蘇えらせる話。
ノスタルジックだけど、感傷だけに流されない痛み。
すれ違う想い。
 
時の流れに取り残されたような存在(めんま)が、
あの頃と現在(いま)とのギャップを浮かび上がらせ、
そして緩やかに繋いでいく。
 
最終話の手紙がもうなんともね。
家族と一緒じゃなくて一人で見てたら泣いてたかも。
 
ただ、長期的記憶槽が欠陥商品の自分にとっては、
小学生時代にそんなかっこたるものが形成できるとは思えないけども。
みんな小学生時代をひきずりすぎぃ〜〜
コンプレックスを通り過ぎちゃうほどだもの。
 
それに、、それに、それに、一つだけ言わせて。
小学生だったんだもん。
友達より、憧れの人なんかより、やっぱり”家族”なんじゃないの。
ホントは。
 
せっかく蘇ってきてるのに、あんまりだよ。
テーマに沿ってないから仕方ないんだけど、そこだけはどうしても、
親としての感情から、救われない気分になってしまった。
仲間の視点よりは、親の視点でどうしても視ちゃうんだよ。