ザリガニの鳴くところ
ミステリ映画としてはさほどのものでもない。
選択肢がほぼ無いだけに、これも常に念頭に置きながら
観てしまうのが、ミステリ者の常道だから。
とはいえ、ヒューマンドラマとして観るならば、
充分に見応えのある映画だった。
母親が去り、兄姉も次々に去り、
果てにはDV親父も去り、たった一人になった少女。
それでも一人で生きることを選び取る、
この最初のシーケンスだけでも、なんだか泣きそうになりそう。
それにとにかく映像が綺麗だった。
この沼地の映像だけでも、環境映像として、
ずっと観ていられそうな気持ちにさせてくれる。
総じて、映像で満足感を与えてくれた作品。