新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

 
イムループ物は、同じシーケンスが何度も繰り返されるので、
冗長さを感じさせる要素があることは事実なんだけども、
それを補って余りあるほどの愉しい作品が多い。
 
ここにもまたその好例が一つ加わった。
 
一つにはパターンからのずらし。
大抵は本人が主人公なんだけど、本作ではそれが違う。
群像劇としての描き方になっていて、大抵のパターンとは
逆になってるのがちょっとユニーク。
(この構造に一番近い映画は「うる星やつらビューティフルドリーマー」かも)
 
一人一人にタイムループを信じさせていくという、
段取りも愉しかった。
 
もう一つには演者の新鮮な魅力。
マキタスポーツ以外、知らない役者ばかり。
それが新鮮で、みんなそれぞれ個性があって、いい感じ。
メインの女性や、裏回しの眼鏡くんとか、特に。
良質の劇団の芝居を見ている感触。
全体的なチープ感も逆に見合ってて、心地良いことこの上なし。
 
いいんじゃないのぉ~。