クトゥルフ神話の宇宙怪物 闇にささやく者
自分自身は正直ラブクラフトのあまり良い読者ではない。
ミステリやSFを好きな人間は、必ずどこかの段階で
怪奇小説・幻想小説も読むことになると思うが、
そこで嵌まった記憶はほぼ無いんだよなぁ。
唯一ポオを除いては、ってことにはなるかもしれないけど、
怪奇小説・幻想小説というジャンル感で、
触れたわけではないからなぁ。
ポオはポオだもの。それだけで一つのジャンルだと思う。
そんな中でもまだ怪異が怪異なのはいい。
どことなく不気味な感じ。ぞわっとする感触。
それを生み出すのが、人か、それに準ずる物であればまだいい。
幽霊とか、吸血鬼とか、せいぜいフランケンシュタインまでなら。
ところが、これが異形の怪物になってくると、もういけない。
それだと自分としてはしらけてしまうのだ。
だから自分にはラブクラフトは向いていない。
クトゥルフ神話として体系化されてるという、作品の構造としての
興味があるので、こうして読んでしまうわけだけど。
で、本作なんて、更にそれに輪をかけて、宇宙怪物ときてる。
怪奇小説なんだけど、なんだかちょっと笑ってしまう。
決してネタにしたいとかの気持ちなんて一切無い。
ちゃんと興味持って読んでるんだけど、報われた感はいつも無い。