新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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文豪春秋

芥川賞を私に下さい」と選考委員の佐藤春夫に手紙を出した太宰治中原中也小林秀雄のある女性をめぐる三角関係。谷崎潤一郎の「細君譲渡事件」……教科書に載るような文豪たちも、実生活ではワイドショー顔負けの様々な事件を起こしていた。それらを文藝春秋創業者・菊池寛がこっそり教える漫画版文壇事件簿。漫画に描くのは、『有名すぎる文学作品をだいたい10ページぐらいのマンガで読む。』シリーズで知られるドリヤス工場さん。同シリーズは、又吉直樹氏が日本テレビ系「世界一受けたい授業」で三度にわたって取り上げ、累計50万部以上になっている。今回の本には、又吉直樹氏が以下のような推薦コメントを寄せている。
「面白かった!常識を超えた変態性を知ると、その作家の作品に触れたくなるのが不思議。楽しみながら、読書欲を掻き立ててくれる漫画です」

 
文豪達にまつわる豆知識本。
 
作品を通じては語られることの無い
(一部には私小説として書いちゃう作家もいるけれど)
下世話な豆知識が目白押し。
 
自分にとってのベスト・エピソードは、
谷崎潤一郎の「細君譲渡事件」って凄過ぎるやろ、と思った後の
和田六郎の筆名の追い打ちからの更に孫という、三段階インパクトだな。
 
他にも、坂口安吾ってここまで危ない人だったのかぁ、とか
岡本太郎の母親のエピソードとか(彼の破天荒さのルーツ?)
冒頭の太宰の芥川賞への執念とか(割と有名ではあったけど)
色々と(ってのがまるで掛詞みたいだな、色事の話ばかりだから)
ためになったり、ならなかったり……