黒博物館 ゴースト アンド レディ(上)(下)
これは前作より数倍、輪をかけて良かった。
フローレンス・ナイチンゲールの伝記的要素と、
藤田和日郎流の伝奇的要素との見事すぎる融合。
直接には関係しそうもない、かち合い弾というモチーフを冒頭に置き、
ドルリー・レーン劇場の灰色の服の男という都市伝説を、
フローレンス・ナイチンゲールの生涯に絡めて描く、
この物語性の高さは驚異的とも思えるほど。
一本の映画を観たというよりも、
連続ドラマを見通したというような満足感に浸っている。
最後の最後の粋なツイストも、
とっても心地良い気分にさせてくれる。
傑作だろう。