さよならに反する現象
乙一、久しぶりだな、と書評リスト見てみたら、
最後に読んだのは2009年1月。もう13年半も経ってたよ。びっくり。
それだけの歳月を経ての再会としては、正直残念な出来映えだった。
まずはタイトルに惹かれて借りてみたのに、表題作が無かった。
しかも別にコンセプトを合わせた作品集というわけでもなくて、
寄せ集めた短編集に無理矢理雰囲気で付けてみたって感じだな。
まぁ実際自分もそこに惹かれたわけだから、戦略的には成功してるのかもしれないけど。
収録作品5作とも、なんとなくぼやけた印象を受けるものばかり。
自分ならこの短編集には、「ピンぼけ」ってコンセプトを付けてしまいそう。
こっちに焦点が合ってんのかなって思ってると、なんかずれちゃう。
その中では、ピンぼけ効果が逆に効いてるように思えた二作品
(ピンぼけっぽい雰囲気で描かれてるのに、最後にキュッと焦点が合っちゃうような)
「家政婦」「悠川さんは写りたい」が本書の中では抜けてたかな。
とはいえ、採点はどうでもいい6点。