ザ・ベストミステリーズ2022
今回は粒ぞろいで、良作が揃っている印象。
なんでこれが、と思うような外れ作品は一作も無し。
なかなか読み甲斐のあるアンソロジーになっていた。
これなら年間傑作選として納得の出来映え。
珍しく協会賞にド本格の大山誠一郎が選出されるという快挙。
というわけで、私のベストも「時計屋探偵と二律背反のアリバイ」で。
まぁこれは「多すぎる証人のアリバイ」」であっても「一族のアリバイ」であっても
一位にするだろうなという、秀逸な短編集だったからな。
というか「記憶の中の誘拐 赤い博物館」からの選出でも、きっとそうなるしな。
第二位は大門剛明「手綱を引く」だな。
こちらが協会賞でも良かったんじゃないかと思えるほど、秀逸な短編。
謎解きが納得のホワイを形成して、ドラマが浮かび上がる感動作品。
第三位はこちらが協会賞の逸木裕「スケーターズ・ワルツ」で。
構造の仕組みが秀逸なので、協会賞自体は納得なんだけど、
ハウとホワイが微妙にしっくり来にくい感触を受けてしまったので。
次点はいつもながらのホワイに感嘆させられる
芦沢央「アイランド・キッチン」で。
採点は迷わず7点で。