新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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アルビノ・アリゲーター

TSUTAYA西友町田店の百円クーポンにて鑑賞。これが最後。

 
「遠い空の向こうに」と同じコーナーにあった作品。
 
「セブン」ユージュアル・サスペクツ」で快演かつ怪演を見せてくれた
ケヴィン・スペイシーの初監督作品。
 
この二つが決め手となって借りてみた作品。
 
入り口が1つしか無いバーに逃げ込んだチンケな強盗三人組と、
人質になった五人との、密室サスペンス劇。
 
これだときっと緊迫の展開や、練り込んだ脚本の丁々発止のやりとりを
想定されると思うが、う~ん、そんなに巧みなプロットではない。
 
そういうわけで、観てて全編愉しめるような作品では全くないんだけど、
なんと云っても、本作のキモはこの着地だろう。
巧みとは決して思えないんだけど、それでもまさかこんなところに
落ち着くとは(オチがつく、とも微妙に違う)予想できるはずもない。
(ちなみにシンプルな正解は、人質全員殺して、皆殺しになる前に
 逆襲して犯人倒したヒーロー三人組として生還する、だとは思うけどね)
 
“意外性”と括るのはどうかと思えるほど、妙ちくりんのへんてこりんなんだけど、
この着地は一見の価値ありと、自分的には満足できた。
 
しかし、これをお薦めにするには、結構なセンスと度胸が必要そうな作品。
万人にお薦め出来るような「遠い空の向こうに」とは、ちょっと毛色が違う。
 
西友町田店のお薦めコーナー、もうちょっと掘ってみることにするか。