手塚治虫短編集2 サスピション
収録作品は「サスピション-ハエたたき」「同-峠の二人,」「同-P4の死角」
「時計仕掛けのりんご」「バイパスの夜」「嚢」「最上殿始末」
「レボリューション」「白い幻影」「山の彼方の空紅く」
「新・聊斎志異-叩建異譚」の11作品。
この巻のカラーは明白。ミステリ・サスペンス系だな。
こういうテーマで編まれる場合の定番作品が多く収められている。
結果的にやはり良質な選集になってると思う。
さすがに豪華な装丁で出しているシリーズだけあるな。
表題の「サスピション」の三作品と、「レボリューション」
「山の彼方の空紅く」が今回初読だったように思う。
そういう新鮮さもあってか、ベスト3のうち二作品は、初読作品から。
記憶喪失と生まれ変わり物のテーマに、捻ったアイデアの入った「レボリューション」
皮肉なオチの倒叙物という定型が見事にはまっている「サスピション-ハエたたき」
ベスト3のもう一編は、「時計仕掛けのりんご」「最上殿始末」なんかもいいんだけど、
切なさが沁みるラストに毎回選んでしまってる「白い幻影」としよう。