- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/10/20
- メディア: 単行本
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ここまできっぱりと割り切った作品はほとんど類を見ないほど。
こんなマニアックな作品は読み手を選ぶだろうなぁ。
シリーズ物だから、みんなわかってて手にするんだろうと思うけど、
ある意味、その覚悟以上の作品になってるようにも思う。
とにかく本書の白眉は「鏡の国の殺人」と表題作。
他の二作品のわかりやすいシンプルな一発ネタとは大きく違う、
難解機械トリックのオンパレード。
おそらく本作品集を好きだという人はこの二作のどちらかをベストに選ぶだろうし、
本作品集を読んだけど好きではないという人は残り二作のどちらかをベストに
選ぶんじゃないだろうかと思う。
というわけで自分は前者なので、どちらかを選ぶわけだけど、
小説的な面白さは圧倒的に表題作だけど、なんか盲点を突かれたようなすっきり感は
あまり感じられなかったので、その意味で「鏡の国の殺人」の方を選ぶことにしよう。
やりすぎさに敬意を表して、採点は7点。