新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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ブラック・スクリーム

ブラック・スクリーム

ブラック・スクリーム

まだこんな大業(荒技?)が残っていただなんて。
 
毎回いろんな驚きを味あわせられてしまうが、
今回はかなりとびっきりかもしれない。
こんなん読めるはずないよなぁ。
意外にシンプルな着想かもしれないけど、
そこから、ここまでやるかという、
難解すぎるハウダニットになってるとしか思えないもの。
相変わらず読者に充分な手掛かりが与えられてるわけでもないし。
 
それにまた本作はいつもと違うイレギュラーな作品。
舞台がほぼイタリアなので、アメリア以外ほぼ一新されたチーム(当然対立もあり)。
でも、エルコレ始め魅力的な面子ばかりで、いつもの雰囲気で存分に愉しめた。
事件の丁々発止なサスペンスや、細かいドンデンは比較的控えめだったけど。
 
まぁ、でも、採点は軽々と8点だし、三つ巴で順位を悩んでしまうところだけど、
う~ん、う~ん、本作を一位に置いちゃえ。
 
ところで本書のラストでは、今回の意外性のポイントを踏まえた
新たな展開の可能性が示唆されてるんだけど、いったいどうなるんだろう?!
たしかに毎作驚きのポイントは別々であっても、犯罪のパターンとしては似通ってきてただけに、
一気に展開の幅を拡げる着想なんだろうけどなぁ。
なんか行き過ぎてしまって、読者として冷めてしまう懸念も感じられるかも。
その時はその時で、こんな心配なんか軽く吹き飛ばすエンタメ性を見せてくれるんだろうけど。