新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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時をとめた少女

日本人が大好きなヤング。
 
ご多分に漏れず、自分も大好きで、
たんぽぽ娘」は自分を時間物ラブ・ロマンスの世界に引きずり込んでくれた
忘れられぬ作品群の一編であることは間違いない。
 
本短編集でも、「わが愛はひとつ」が読めただけでも幸せな気分になれる。
これまた時間物ラブ・ロマンスの傑作の一つ。
 
ベストはダントツでこれで、第二位が「真鍮の都」。
第三位が「時をとめた少女」。
 
でも、この三作を通して読むと、解説にもあるように、
ヤングのロマンチックな作品群って、ホントに明らかに
男性側に偏った願望充足作品なんだね。
あの「たんぽぽ娘」だって、それに通じる。
 
主人公の一人称の男性側はたいがいは受け身なだけで、
描かれる女性の方が一所懸命頑張ってくれちゃってる。
 
ヤングの大女好き(本作収録の「花崗岩の女神」もその最たるもの)も、
そうして考えると、同じく通じるものを感じてしまう。
(こっちのデカ女好きってのに関しては、全く共感できないけども)
 
ヤングってば、赤ちゃんプレイとか、大好きだったんじゃないかいな(笑)
 
ま、ちょっとヤングの印象が変わってしまったかもしれないけど、
そんな意地悪な見方さえしなければ、他の味わいの作品も含めて、
良質の短編集であることは間違いないと思う。