新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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スター・ウォーズ/フォースの覚醒

グランベリーモールで見たのがコレ。
 
ルーカスではなくなったとはいえ、やはりこのシリーズは
映画館の大画面・大音響で見なくっちゃ、というわけで。
 
全体的にはもう見ることが出来ないと思ってたEpisode7を
それなりに見せてくれたことで、概ね満足はするけれど、
物足りなさ感は満載、といったところかと思う。
 
とにかく一番の不満点は、寄せに行き過ぎてるところ。
 
偉大すぎるシリーズを引き継ぐことで、仕方ない部分も大きいけど、
ルーカスの掌の上だけで完結してて、一歩も踏み出してない印象。
 
これまでのシリーズの中で語られてきたモチーフだけを
つまんでちりばめて繋いだようなストーリー。
舞台装置やシーンやアクションすらも、なんだか既視感の中だけの仕事。
 
一言で表せば、「新しいスター・ウォーズ感の希薄さ」、
これに尽きるかと思う。
 
新しさが無い分をスケールアップ感で補ってくれればまだしも、
ほぼ全ての要素に関して逆に矮小感。
 
旧キャラ達の再登場でわくわくさせてくれるのは続編の特権だとして、
ダースベイダーの圧倒的な存在感に対しての、レンのばったもん感が半端ない。
手抜きコスプレイヤみたいな劣化マスクかぶって、それでいてあっさりの顔見せ。
物に当たり散らすだだっ子ちゃんで、いつも涙目な雰囲気の泣きべそちゃん。
掃除担当のストームトルーパーにすら結構互角な戦いしか出来ないし、
そんなに修行してたとは思えない、いとこ対決ではあっさりやられてるわで。
ジェダイの修行してたんちゃうん、と膝突き合わせて詰問したくなっちゃったよ。
光と闇の間で揺れ動く、弱さも逆に魅力よ、な繊細坊やキャラで押すつもりなのかね。
 
レイの女主人公キャラは今後の更なる強化も想像できて、Goodだと思うけど、
それに比べてレンのあまりにもな小物っぷりは、ライバルとしてあまりにも力不足。
 
これだけ間が空けば、圧倒的な映像を見せてくれるだろ、という期待を
満足させてくれなかったのも、大きな物足りなさ要素。
もともと脚本やテレビのお仕事の多かったこの監督に、
都市の俯瞰シーン一つ撮るだけでも凄さを感じさせてくれた
映像作家の後を引き継がせるのは、無理があったんじゃなかろうか。
(BDで「スター・トレック」見たくらいしかない私がこう言うのは不遜ですが)
 
二作目以降は監督も替わるようだから、映像のクオリティアップにも期待だな。