新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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嘘喰い 31〜36巻

ずいぶん溜まってるので、まとめて感想を。
 
31巻のみ書影を載せたが、この巻から完全なる新章に突入。
改めてローマ数字で新章での巻数が示されるようになった。
カバー色まで変わっちまったよ。
 
MMORPGのプロトポロスってオンラインゲームを
一つの島の中でリアルに再現させている世界。
そこを短期間で統一させた方が勝利者となるのがゲームの大枠。
 
その中で幾つかのゲームも展開されるのだが、
今回はごくごく一般的なゲームのアレンジが多いのが特徴。
あっち向いてほいに、かぶって叩いてじゃんけんぽんに、
ハンド・チョッパー(元名称なんだろ? 子供達が小学生の頃よやくやってた)
それぞれに見事にギャンブル化されてるのが、いつもながら良い出来。
特にあっち向いてほいの高度なゲーム化はお見事。
原理的な必勝法があっても、心理的に潰してみせたりとか、複層のテクニックだよね。
 
ゲームと並行してのアクションも、ただのぶつかり合いじゃなくて、
高度な騙しや駆け引きが展開してて、意外に楽しめた。
特に伽羅の連戦と結末には、ぐっと来てしまった。
 
新章、結構悪くないぞ。
 
ここまでは貘側が圧倒的に有利に立ってると思われるので、
極端なひっくり返しが待ってるのが、逆に確実と言える。
一体どんなやりくちなのか、まだまだ楽しみは続きそうだ。