- 作者: 麻耶雄嵩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/04/22
- メディア: 単行本
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趣向の統一と、そう思わせてのそこからの逸脱、
というのも、麻耶クンの常套手段。
だからこそ個人的には物足らない。
これがこの一冊で完結している作品集だとしたら、
私としては失敗作だと断じてしまいたい。
逸脱の仕方が中途半端すぎるのだ。
麻耶クンにしては珍しく、美しさに欠けてる。
せめて全作の趣向が統一されているならば、
ほんとに脱力系を書いてみたかったんだろうなと、
まだしも納得出来た。
でも、ほんの一部だけの逸脱はダメでしょ。
だっていくらでも逸脱の方向性が考えられる作品。
しかも、それに加えて、最終作は書き下ろし。
最終作の逸脱で作品集として綺麗に締めるんだろうと
どうしても期待が膨らんでしまう。
しかし、若干の方向性の変化はあったけれど、
そういう期待を満たしてくれるものではなかった。
失敗作だと思うので、麻耶雄嵩に付ける点ではないけど、
採点は6点。
唯一の希望は、これは完結作ではなくて、続編が出ること。
たとえば叔父さんが次巻では結婚してて、タイトルが「あぶない叔母さん」
そして、最終作の趣向で吃驚させてくれると。
無いかな?