新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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酒と勝負する男の物語−2月会編−

(これまでのあらすじ)
今年の2月会は、みんなの家の重心で。
幹事が導き出した結論は、なんと東山田駅
その至近ということで、会場は北山田のときのやに決定。
2月会自体は、6人で一本半の焼酎一升瓶と共に、
つつがなく終わったと思えた……
 
(蛇足の物語)
物語としてはそこで終わって構わない。
白雪姫は王子様のキスで目を覚まし、シンデレラはお城に妃として迎え入れられる。
オリジナルがどうであろうと、物語はそこで締め括るのがふさわしい。
その先にあるものなんて、全て蛇足だ。
だから、この先の真実の物語も、ただの蛇足に過ぎない。
 
 
家に着くまでが遠足、という言葉がある。
そういう意味では、2月会はまだ終わってはいなかったのだ。
(嗚呼、結局はまたそういう話だというのに。
わかってるでしょ? わかってても先に進みますか?
水戸黄門の印籠が好きな人もいる、そういうことですか?)
 
ふっと意識が戻ると、
ぞろぞろと大勢の人が電車を降りていた。
いかん、まずは状況を掴むのだ。これが鉄則。
慌てて引きずられてしまわない方がいい。
 
しかし、駅名が見えない。
アナウンスは聞き逃した。誰も電車に残らない。
 
しょうがなく外に出ると、あたりはもう人気も消えて、用務員みたいな格好をした人がぽつんとそこにいた。
「ここはどこですか?」と尋ねると、
ひどく怪訝そうな声で、
「ここは新宿です」
と答えてくれた。
 
まるで中学一年の英語の教科書のような
ほのぼのとした光景だったと思う orz

 
しかし「これはペンです」が人にショックを与えることは稀だと思うが、
「ここは新宿です」が人にショックを与えることは、ままあるのだ。
ああ、それとも私が知らないだけで、「これはペンです」が人にショックを与えることも、世の中ではまま起こってたりするのだろうか?
 
いかん、また蛇足に蛇足を重ねてしまった。
 
ただ幸いなことに、まだ引き返すことが出来た。
きっと日頃の行いのせいだろうと言うと、こういう行いをしてる人が言うべき台詞ではないと言われそうだな。
 
 
こうして午前1時に、2月会は終わった。