新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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完全犯罪研究部

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完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

完全犯罪研究部 (講談社ノベルス)

なんだ、こるもの、普通に面白いやん。
 
例のシリーズでこだわり続けてる”アンチ”ってほどの揶揄感やトンガリっぷりはないものの、”裏青春ミステリ”だとかの表街道じゃない名称は付けたくなるな。でも、それが一番面白いことをわかってる奴が書いた、わかってる作品だってことは間違いないんだから、それでいいのだ。
 
まっすぐ生きてる(ことになってると思う)自分には、全編を覆うオタトーク(その代わり魚蘊蓄は一切無いぞ)や2ちゃん用語の絨毯爆撃には付いていけてない部分も多いが、その辺も含めて呑み込めるよな人間だったら、こりゃ、ひょっとして、べらぼうに面白い作品かもしれんわなと。
 
まぁ、ミステリとしてはロジックもへったくれもないんだが、って、いやいや、ひょっとしたらこれって”へったくれもない”んじゃなくて、”へったくれしかない”って言った方が正しいんじゃないか。
 
でも、これって決して貶めてるわけじゃないぞ。だって、ここにあるのは膨大な量の”へったくれ”なんだからな。全編へったくれで押し通した”へったくれミステリ”、あるいは”へったくれ青春小説”
 
2ちゃんを見てみろ。あれこそ”へったくれの超集合体”だからな。あるいは、はんにゃを見てみろ。今や、へったくれは時代の最先端なんだぞ。こるもの、大丈夫、お前は今しっかりと時代を掴んでるぞ。
 
それにしてもこの表紙。講談社ラノベ化計画にしっかりと組み込まれてる感触だが、ラノベのようでラノベでない、そのはみだしっぷりをこれからもたっぷりと見せつけてやれっ!