新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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人狼作家

原書房様からの頂き物。いつもありがとうございます。

人狼作家

人狼作家

ミステリ作家たちを集めて人狼ゲームをやったらどうなるか、という
なるほどそれは面白そうだな、の企画本。
 
中の人当てという楽しみ方もあるのだけど、それぞれの素の姿を知ってるわけではないので、
それはかなりの難問だろうと思う。
こるものだけは見当付くかと思ってたけど、外れだったし。
 
人狼ゲームとしても(あまり自分も経験値は無いが)、難しかった。
ミステリ作家ならではの、アクロバティックな戦略が採られるんじゃないかと
ちょっと境界条件的な推理をしてしまったけど、ことごとく外れ。
まぁ参加者もみんな空回りしてる雰囲気だったしな(笑)
 
自分が人狼役だったら、絶対こんな作戦は取れないなぁ、という
流れにも翻弄されてしまった。
 
リアル生活との絡みで、更に難易度がアップしてたり。
そういう意味でワースト・プレイヤは、我孫子氏だったんじゃなかろうか。
(どっちの陣営かは言えませんが)
 
でも、やっぱり他人のゲームでも、面白いもんだな。
ロジック好きのミステリ作家故の面白さも堪能できて、
ベストプレイとは言えないまでも、充分楽しめた。
 
ただ一点、11人いる、みたいな無意味なフリは止めて欲しかった。
当然、何かあると思うやん。
単純なリプレイ本じゃなくて、外枠で何か仕掛けてんな、と思うだろ、これは。
プロローグの「ぼく」の正体が何か関係するんだろうかとか、
色々深読みさせられてしまったじゃないか。
あまりにもな意味の無さ具合に脱力してしまったよ。
ミステリ周辺本で、紛らわしいことするなよなぁ。