新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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楽天市場から「ワインやチョコレート関連した商品」を探して日記で紹介しろとのこと。をを、それはちょうどいいのがあるやん。ほぼ一年前の作品だけどね。紹介文は「幻影の書庫」掲載時点のフル・バージョンで。
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対象が子供じゃないよな、と云う作品が実は多いこの叢書だが、これはドンピシャ。乙一らしく素直じゃない辛口さを持ちながらも、素直に冒険心を満たしてくれる作品だった。
とにかく子供の冒険心をくすぐるガジェットが満載。「宝の地図」から始まって、「名探偵の秘密の助手」としての活躍、と将来ミステリにはまる可能性のある子供なら、間違いなくワクワクしてしまう展開。
それでいて単純な冒険物に収まらず、ミステリとしての意外性もふんだんに折り込まれている。この驚きもまた読んでる子供達を、目眩くミステリの世界へといざなう入り口を提供してくれているのだ。
この叢書の中でも、最も”ミステリと冒険物の原体験”にふさわしい作品かもしれない。個人的な順位表では、ミステリ要素を重視した順位としているが、冒険物の中では、本書と法月作品は、太田忠司「黄金蝶ひとり」を抜く順位としたい。この二冊の順位付けが難しいところだが、本格的な仕掛けの豊富さを買って、法月を上位とする。採点は7点。
『幻影の書庫』選 講談社ミステリーランド順位表 は コチラ
ちなみに、もしも装丁に順位を付けるならば、シリーズのベストが本書。色遣いのセンスが素敵だと思うし、チョコレートというモチーフの活かし方も最高、イラストの雰囲気も抜群。ただ一つだけ、お母さんはイラストにして欲しくなかったなぁ。読んでて想像してた雰囲気が台無し(苦笑)