新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

SRの会”仮想”ベスト5(非公認)

SRの会のホームページ(仮)にて、昨年度のベスト5が公開されているので、興味のある方は確認して欲しい。
さて、SRの会の採点方法は積み上げ方式ではなく、平均点という基準で選ばれるのが、ユニークな特徴だろう。但し、母数が余りにも少なすぎる故の弊害を、3/2の日記で私は二つ示した。
それが如実に表れているのが今回の投票結果なのだ。
「容疑者Xの献身」が1位にならなかった理由、「斬首人の復讐」が海外1位の理由。私が挙げた二つの点がまさしくそのまま当てはまってしまう。「献身」は私が指摘した有名人が投票していた5作品の一つ。そのうち本作を含めて3作品が2点という投票になっている。「斬首人」は投票者6名。続編物・シリーズ物はやはり前作を読んで良かったという人だけが読み、良くなかった人はそもそも手にすることなどない、という傾向が当然あてはまる。一部のファンだけが読み、ギリギリ足切りの投票数(海外6票,国内7票)に達してしまった例。まさしくそれが今回の1位なのだ(勿論、作品として本当にいいのかもしれませんが)
また、これは会員以外には分かりづらいのだが、短編集は切り離してある。明らかな連作やシリーズ短編集は長編と同列に扱われているのだが、短編集は別扱いなのだ。これは中途半端だと私は思っている。短編集も同列に扱うか、明らかに連作として総合的な趣向のある作品(長編としても理解可能のもの)のみに絞るか、どちらかにすべきじゃないのなぁ。そこで、こうであって欲しいと私が思う状況で採点が行われていたら、どういうベスト5になっていたかを集計してみた。
条件は「もしもあの人がいなかったら」と「一部のファンのみの偏りが出ないように足切り基準を厳しくしてみる(最低10票。これだけいればもう”一部の”とは言えないでしょう)」と「短編集は分け隔て無く長編と同列に扱う」
そうるとこうなりました。
 
翻訳ミステリ
1 J・リッチー   クライム・マシン 7.60(20)
2 S・エリン       最後の一壜 7.56(16)
3 P・クェンティン    悪女パズル 7.45(22)
4 M・イネス  アプルビイズ・エンド 7.32(19)
5 A・デイビッドスン  どんがらがん 7.27(11)
 
国内ミステリ
1 東野圭吾 容疑者Xの献身      7.61(28)
2 石持浅海 扉は閉ざされたまま    7.54(24)
3 天城 一 島崎警部のアリバイ事件簿 7.53(19)
4 米澤穂信 クドリャフカの順番    7.50(10)
5 島田荘司 摩天楼の怪人       7.38(16)
 
これは私個人が勝手に行ったもので、SRの会の了承を受けたものでは当然ありませんので、どうか引用、リンク等はご遠慮ください。