意味がわかると怖い4コマ 2巻
まぁ、1巻でレベルはわかっていたので、
完璧に想定通りの作品だった。
お子ちゃま向けとして認識していれば、そのレベルにおいては、
ひどすぎてどうしようもないってほどではないだろう。
減点評価ではなく、極端な加点評価を取ることにして、
ベスト3を選ぶなら、「不自由しない」「安全」「鉛筆」かな。
5章のひどい童話が今回は短い1本だけだったのも
まだ許容範囲だった所以かも。
時は『嘘喰い』完結より少し遡り、斑目貘がお屋形様に成った直後へ。
親睦会と称し夜行妃古壱立会人を部屋に呼び出し語らせたのは、若かりし日の夜行立会人初の賭郎立会。
回想の最中ギャンブラーに憑依する貘、奇妙な追憶の旅が始まる──。
いやあ、久々に嘘喰いが読めて嬉しい。
いつも通り、子供の遊びをベースにして、
命がけのギャンブルに仕立て上げ、
その上で読者の予想を超える逆転劇を魅せてくれる。
1巻で完結しているのもいい。
今回のゲームはカンダタ危機一発。
そう、元々は黒ひげの船長のやつ。
(ちなみに豆知識だけど、大元は船長を助け出すって意味で、
飛ばした方が勝ちってルールだったらしいぞ)
これがどう金と命のリスクを引き換えにするギャンブルに
化けるのか、そして勿論、それがどんだけエグいのかってのは、
いつもながらの嘘喰いで満足。
逆転劇としてはあっさり気味だけど、1巻完結だし、
このくらいで丁度いいのかな。
このフォーマットなら続ける余地がいくらでもあるし、
そういう雰囲気のラストだし、もっと読ませて欲しいなぁ。
あなたにはこの謎が解けるか――。
法月綸太郎と方丈貴恵がフーダニットで、我孫子武丸と田中啓文がホワイダニットで、北山猛邦と伊吹亜門がハウダニットで、読者皆様に挑戦します。
三分野で六人の推理作家による「読者への挑戦状」対決!
互いの問題を推理し合うという「推理編」の趣向が秀逸だった。
ちなみにスーパーバイザーのノリリンは全部に挑戦(結構豪快に外してたりしてて乙)。
タイマン勝負の形式になってるので、いつものベスト3ではなく、
それぞれの分野で勝者を選ぶ形にしようと思う。
フーダニット編では、ちょっと難度は高すぎるけれど、
王道の犯人当ての方丈貴恵の勝利。推理編の緻密度も良かった。
ノリリンは若干簡単すぎたのと、本人の反省にもあるように、
出題意図とは真逆の動機が成立してしまうのは、やはり疵かと思う。
ホワイダニット編は、やはり挑戦状形式には向かないというのを
改めて示したような形になってしまったと思う。そりゃそうだよなぁ。
その中では推理で導けるようになんとか頑張った我孫子武丸の圧勝。
ハウダニット編はいずれも秀作で、三分野の中で最も充実したパートになった。
ハウとしてはこちらが上だと思うし、ハウの中に別の謎をも内包した北山猛邦も
非常に良かったんだけど、更にそれに加えて思い及ばぬようなホワイをも
炸裂させてくれた伊吹亜門の方を勝者としたい。本書全体でもこれがベスト。
こういう形式で、推理編もあってと、この趣向だけでも8点進呈!