案山子の村の殺人
とても気持ちの良い、ど直球の本格ミステリ。
志良しってことで、気持ち良い作品ではあるのだけど、
手放しで賞賛できるかっていうと、それほどのものでもないなってところ。
ハウダニットとしては、たいしたことはない。平凡な出来。
主人公二人はいとこ同士で合作のミステリ作家してるってことで、
その設定だけでわかるほど、エラリー・クイーン礼賛な作品なんだけど、
じゃあクイーンばりのロジックが拝めるかというと、そんなことも無し。
フーダニットやロジック展開としても、割と平凡。
アクロバティックなロジック展開は無いので、印象にも残りにくい。
残るホワイダニットとしては、かなり納得感が薄い。
読者への挑戦状も二度も挟まれていて、
形式的にも作者の意識としても、非常に好感は持てるのだけど、
どこか抜きん出てるかというと、そうでもないかなと。
採点は7点。