嵐により陸の孤島となった会員制クラブ。そこに居合わせた私立探偵。密室殺人。古今東西のミステリからの引用……。すべては本格ミステリの舞台として完璧かと思われた。しかし――。読者を待ち受けるものは困惑か狂喜か。これはミステリなのか、それとも……
おお、ここまでド直球のメタミステリ読んだのは久しぶりな気がする。
読者としてそう覚悟せざるを得ない、この邦題にしたのは、
編集部の好プレーだと思う。
原題のようなごく普通のタイトルのままで、この作品読まされたら、
それこそ放り投げる人が現れて当然の作品。
”ド直球のメタミステリ”と書いたけど、語り口はクセ球の変化球ばかり。
最初のページから、まずは二人称で始まるしね。
物語始まってからも、随所にミステリ評論やコラムみたいなものが
挟まってくるは、最後は舞台劇仕立てになるはと、
とにかく最初から最後までギミックだらけのクセスゴ作品。
まぁ目くじら立てることなしに、見世物興味で読むが良し、な作品かな。
そんな感じで、６点と低評価にするか、８点と高評価にするか、
悩んでしまうので、間を取って採点は７点ということで。
