黒祠の島 (上)(下)
おお、これは予想以上に良かったかも。
作者独特の伝奇風味が結構いい感じにミステリと融合している。
ミステリとしてのキモ(入れ替わりの時期)は非常にシンプルなんだけど、
読者の盲点に入るように仕込まれてると思う。
少なくとも私は完璧に作者の手のひらの上で踊らされてしまっていたよ。
この一点の盲点で、事件の様相をがらりと入れ替えられてしまうのが、とても心地良い。
伝奇の謎解きも充分にミステリ的。
これだけでも伏線を回収する快感も味わえてしまった。
なかなかお見事な作品でした。