君待秋ラは透きとおる
何やらかすかわからない作者らしい作品かもしれない。
異能力バトル。
鉄筋生成、猫化、空間統御、透明化などの「匿技」の持ち主たちを集める「日本特別技能振興会」。
この異能力バトルを軸に置いて、戦後からの巨大な闇をベースにして、
謎解きの面白さをも組み込んだ作品に仕上げている。
ユニークな作品で、一見プロット的にも万全に思えはするんだけど、
気になった点が幾つかあって、すっきり出来なかったのが、個人的には減点ポイント。
軽いところから言うと、外人部隊が単にトレーニングのためだけに消費されて、
物語的には絡んでこなかったところ。
でもって、最大のポイントは肝心の動機に関する部分。
「完全な消失」が匿技発現の条件になってるという前提なんだけど、
「戦時中」のエピソードと矛盾しちゃってるんじゃないってところ。
「角曲がる度に毎回遺体無くなるほど焼失」してたわけじゃなかろうもん。
……ってのが気になって、気になって、採点はギリ7点を切る6点で。
細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖。
ってとこで。