新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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真夜中の密室

 
このタイトルだし、ウォッチメーカーが引き合いに出される犯人だし、
ってことで、期待感は高かったんだけど、なんか自分としては
意外にツボに入ってこなかった。
 
事件の構図自体は、いつもながら凄く意外性が高いのだけど、
そのプレゼンの仕方が、いつものディーヴァーらしくなく感じられた。
 
急転直下のどんでんじゃなくって、なんかぬるっと真相が描かれた感じで、
読者(としての自分)に驚くタイミングを与えてくれなかった。
 
ロックスミスの正体が明かされるシーンも、これまた相当意外なんだけど、
いまいち必然性が感じられず、どんでんのためのどんでんと思えて、
釈然としない思いを抱えてしまったし。
 
というわけで、何故か自分には相性が悪かった本作。
採点も7点にしちゃおうかなとも思ったけど、やはり客観的には
意外性高い作品ということは間違いないので、ギリ8点で。