新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

本格ミステリ書評サイト「幻影の書庫」の旧管理人のブログです。カテゴリー欄の全レビュー索引より、書評、映画評、漫画評、その他評の全一覧リストを見ることが出来ます。同じくカテゴリー欄の年間順位表より各年度の新刊ミステリの個人的ランキングを確認出来ます。

創竜伝(上)(下)

 
無茶苦茶期待感の上がるアゲアゲな雰囲気だったんだけどなぁ。
 
そう、話のフォーマットとしては、悪くない作品だったと思う。
船津御前との前哨戦のところまでは、まだ良かった。
 
けど、そこで一旦竜が出てしまってからは、もうほぼそこが出オチみたいなもん。
チート過ぎて、そこで終い。
竜が出れば、それで解決。
四竜の性質の違いなんて、ほぼほぼなんも関係なし。
 
あの銀英伝の作者の筆とは思えないくらい、
戦略・戦術一切無しの智的興奮ゼロのバトルに、もう萎え萎え。
 
ようやく互角に戦える仇敵が現れたと思ったら、
肩すかしでしかないラスト・バトル。
 
スケールや期待感だけを煽って上げてくれても、
毎回毎回の収束のさせ方が、それに見合わず、残念な作品だった。
 
ただなぁ、原作は15冊もある作品を、この文庫版2冊で収まるくらいの
スペースに凝縮されてるんで、戦犯は恵広史の方かもしれないけどね。