創竜伝(上)(下)
無茶苦茶期待感の上がるアゲアゲな雰囲気だったんだけどなぁ。
そう、話のフォーマットとしては、悪くない作品だったと思う。
船津御前との前哨戦のところまでは、まだ良かった。
けど、そこで一旦竜が出てしまってからは、もうほぼそこが出オチみたいなもん。
チート過ぎて、そこで終い。
竜が出れば、それで解決。
四竜の性質の違いなんて、ほぼほぼなんも関係なし。
あの銀英伝の作者の筆とは思えないくらい、
戦略・戦術一切無しの智的興奮ゼロのバトルに、もう萎え萎え。
ようやく互角に戦える仇敵が現れたと思ったら、
肩すかしでしかないラスト・バトル。
スケールや期待感だけを煽って上げてくれても、
毎回毎回の収束のさせ方が、それに見合わず、残念な作品だった。
ただなぁ、原作は15冊もある作品を、この文庫版2冊で収まるくらいの
スペースに凝縮されてるんで、戦犯は恵広史の方かもしれないけどね。