新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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国内ミステリドラマ・レビュー(19年下半期)

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今シーズンは、ミステリ系のドラマが豊富だったので、珍しくレビューなぞ。
普段ドラマ見る習慣なんかないんだけど、なんと3本もフルで観ちゃったからな。
ただそれだけ頑張ったにもかかわらず、イマイチ「これはっ!」てのは無かったなぁ。
(ってことで、かなり厳しめの評価になっちゃってます)
 
「シャーロック:アントールドストーリーズ」
語られざる事件をモチーフにするのは悪くないアイデアだけど
(大昔にカーがドイルの息子とやってはいるけどね)、
どんな事件があるか把握してるマニアックな視聴者なんか、ごく極端な少数しかいないはず。
自分も、傘を取りに戻ったまま消えてしまった男の事件くらいしか、思いつかないよ。
最初の1分で聖典の該当箇所を見せてくれたりとかいう趣向あったら、もっと興味持てたのになぁ。
(まぁ、そもそもそんなとこに着目してる視聴者自体がごく少数だろうから、需要ないか)
そんだけマニアックなモチーフにもかかわらず、登場人物名もイニシャルしか踏襲してないなど、
原典との関連性は薄っぺらい。推理の鋭さも、早さも、論理性も、そこまで演出できてない。
なにせカンバーバッチの SHERLOCK という比較対象があるだけに、差が目立ってしまう。
事件の意外性もあまりなく、まぁ、雰囲気作りだけのミステリドラマって感触だったな。
(特に、次シーズンを作る気満々の最終回は、ひどい代物だった。ライヘンバッハに禊ぎに行ってこい!!)
 
時効警察はじめました」
これはいつもながら、緩さとくすぐりを楽しむべきドラマだからなぁ。
この程度の事件が迷宮入りするはずがないっしょ、とか突っ込んじゃいかんからな(⇒ 自分)。
ゆるゆるの事件とゆるゆるの推理を、ゆるいコメディの枠内で、生暖かく楽しむ。
そんなぬるま湯の半身浴みたいな番組。
くすぐりに関しては、密室殺人の回が最高。
捨てネタの古典バカトリックのオンパレードがマニアックすぎて笑ろた。
相当手練れのミステリ通でも、元ネタ全部はわかるまいよ。
 
「CHEAT チート ~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」
CHEATというよりは、CHEAP。とにかく安っぽいドラマだった。
コンゲーム特有の痛快さが、あんま感じられない。
演技もオーバーで常に空すべり気味。奇をてらったアイドル設定も何だかなぁ。
これまた「コンフィデンスマンJP」という比較対象があるだけに、
脚本の出来のあまりにもな差が可哀想とも思えるくらい。
縦筋の伝説の詐欺師の話がうざったいだけだった。少年漫画かファンタジーだよね。
ちゃんと一話目で見限っておけば良かった。盛り返すとこ、一個も無かったよ。
 
「相棒 season18」
ついでにこの定番中の定番も。
始まったのに気付かず初回を見逃したので、後編だけ見る気もせず三話目から視聴。
(名前で予約すれば録り逃し無いだろうけど、再放送枠がことごとく録画されて、めんどいんだよね)
仲間由紀恵のスケジュール都合でのつなぎという話だったのに、いつの間にか安定政権だな。
コンビプレイとしてはたしかに悪くないけれど。並行して動ける力量があるからね。
3月まで続く予定みたいだから全然途中だけど、3~10話まで鑑賞した限りでは、
まだまだ目の覚めるような快作は無いなぁ。マンネリ気味かな。脚本家の実力かな。
テレビ朝日開局60周年と『相棒』20周年記念作品にしては、ちょっとお寒い感じ。
後半の盛り返しと元日スペシャルに期待をつなごう。