新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版

06/18(土) イオンシネマ新百合ヶ丘にて鑑賞。

 
ドラマ版は全作鑑賞済み(感想はコチラ)。
かなり酷評だけど、それはひとえにシャーロックらしい推理の切れが見られないことが
最大の要因だったんじゃないかと思う。カンバーバッチのあっちがあったしね。
  
そのドラマ版は語られざる事件をモチーフにしていたけれど、
劇場版はやはり(少なくともタイトルだけは)有名作を持ってきた。
 
当然記憶の彼方なので(そもそもドイルの原典のままで読んだことがあるかすら記憶が無い)、
事前にネットで読めるあらすじ(原作の方ね)は仕込んでおいた。
 
ドラマは原典との関連性は薄かったけど、さすがに本作はベースとなる原作があるので、
名前のもじり含めて、それを想起させる要素がたっぷりと詰まっている。
でもって勿論原作の映画化ではないので、原作をよく知ってる人ほど、
スリードされてしまう可能性もあるので、そこはご注意を。
 
というわけで映画版でもやはり、シャーロックらしい推理の切れみたいな、
ミステリとして痺れる要素は無かったんだけど、
こんなドラマが潜んでいたのかという、そのドラマ性が豊かで充分愉しめた。
 
原典のモチーフを散りばめながら、こんなドラマが作れるなら、
こういった趣向でシーズン2作ってくれれば、また全編見てもいいな。
どうせアントールドは使い果たしただろうから、今度は原作もじりで是非。