新・三つの棺-「幻影の書庫」日記

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キングダム

06/01(土) イオンシネマ海老名にて鑑賞。
 
いつでも千円なのに、わざわざ映画の日に行かなくても、という気もしたけど、
席の予約見たらほとんど埋まってなかったので(金曜朝で先客3組)、まぁいいかと。
ホントは「ゴジラ」観に行きたいと思ってたんだけど、午後に用事入れたかったので、
午前中やってて観たいプログラム探したら、結局これになってしまった。
ゴジラ吹き替え版なら午前中にやってたんだけどなぁ。レンタル借りて観るときは
 最近は軟弱って吹き替えで観てるけど、映画館ではさすがに字幕で観たいもの)
 
原作を忠実に実写化するという意味では、非常に出来のいい映画。
意気込みが強いあまりか、原作への敬意が足りないせいか、
その両方の正反対パターンで、原作レイプして失敗する実写化が多い中、
割愛や若干の順番や状況の変更だけで、愚直なまでに原作そのままを貫いている。
 
映画という媒体への移植としては、これ以上は望めないくらいだと思うので、
原作の持つ力強さがそのまま反映され、充分秀作と評価されてしかるべき作品だと思う。
 
キャラクタの移植も予想以上に素晴らしかった。
これまで一度も良いと思ったことのない山﨑賢人を、初めて良いと思えた。
年齢設定は多少違っても、信のイメージをしっかり再現してくれていた。
何より凄かったのは、吉沢亮。今まで意識したことの無い俳優だったけど、
政の気品と抑えた中からも滲み出る情熱の表現力に感嘆した。
漂との二役の演じ分けも完璧。
本郷奏多の成きょう、坂口拓左慈も笑っちゃうくらいイメージピッタリ。
長澤まさみの凜々しさも美しい。台詞の迫力は若干物足りないけど、画になる~。
橋本環奈も性別誤認にこだわる演出になってなかったのが功を奏したのか、
愛くるしさがそのまま活きてた。台詞のつたなさもご愛敬。
大沢たかおの王騎も表現力・再現力、ほぼ完璧なのでは。
(撮影で見かけの大きさがあと一割増しになればもっと理想的だけど)
 
というわけで、下手に色気を出さずに、演技陣も要求に応えて、見事成功した作品。
 
これだけちゃんと再現してくれるなら、ここからの原作は未読だけど、
映画の続編も安心して見に行けそうだ。
ただ、真面目にやったら一体何部作になるのか、考えたらちと恐ろしいけどね。
(途中端折ってもいいから、五部作で完結まで持っていってくれるなら、
 全部付き合ってもいいかな~)